本家筋を探す
現行の民法が施行されるまで、日本は古くから家長が家を統率する家族制度で暮らしてきました。明治31年には、旧民法において家制度が規定され、法律上でも家長に相当する戸主が、家を統率していきます。
以前の家という言葉には、現在のような戸籍を単位としておらず、例えば、織田家、豊臣家、徳川家のように一族全体を表すために使われていました。現在でも冠婚葬祭においては、○○家という表示で区別されるように、家というのは当家だけではなく、親戚一同を指しています。
一族の中でも、嫡男を家系とする主筋のことを本家筋と呼びます。多くは長男が家長として先代を継ぎ、家を存続させていくという考え方です。家を継がない立場の男子は、本家の援助により分家として存在することができ、女子の場合は他家に嫁いでいきます。
分家の当主から子孫も当然に生まれるため、分家により一族は広がりを見せていきます。しかし、分家が本家から分かれている以上、ご先祖様を辿るには、本家筋を探さなくてはなりません。ご先祖様が分家でも、直系を辿っていくと必ず本家にぶつかるからです。
このように、本家筋とは直系の嫡男家系なので、本家に過去帳があれば、最も古くまでのご先祖様が記載されており、もしかしたら家系図があるかもしれません。魅力的な本家筋ですが、探すのは容易ではなく、都市部ではなおさら本家や分家という考え方が薄れています。昭和中期以降の生まれであれば、自分が本家筋か分家筋か知らない人も多いでしょう。長男の家系とは聞いていても、分家の主筋である可能性もあります。
本家筋と全く付き合いが無い場合に、最も手掛かりになりやすいのは、本家が先祖代々の土地と墓を守っているという習慣です。必然的に、菩提寺の周辺に現在も住んでいる可能性が非常に高く、ご先祖様と同姓なら訪ねてみる価値はあるでしょう。
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