過去帳のある場所
分限帳や宗門人別改帳というのは、公的な目的で作られているので、その所在も公的な管理下に置かれている例が多いものです。ところが過去帳の場合は、菩提寺が管理していたり、各家で管理していたりと、完全に私的な台帳です。
少なくとも確実に存在するのは、ご先祖様の菩提寺で、菩提寺の過去帳を見せてもらえるなら、公的な文献で得られなかったご先祖様の情報も得られるかもしれません。しかし、過去帳の閲覧には、厳しい制限があることを覚悟しておきましょう。
個人情報の塊でもある過去帳は、これまでもしばしば悪意ある人に利用されてきました。お寺としては善意で閲覧に応じているのですが、閲覧させることによる弊害の可能性が大きくなりすぎたため、檀家の紹介や委任がなければ、ほとんど見せてもらえません。
個人の家にも過去帳はあり、過去帳は仏具の1つです。菩提寺の過去帳は他の檀家も含まれていますが、個人の家の過去帳はその家系の人の記載です。ということは、ご先祖様が記載された過去帳を見つければ、そこから家系を辿ることができる可能性は高くなります。
しかしながら、古くからの家系を綴った過去帳というのは、一族の墓守りでもある本家にあり、分家を境にして、過去帳が分家以降ということもあります。したがって、ご先祖様が分家出身で、分家の過去帳に記載されていたしても、分家の初代で途絶えてしまうので、そこから先は本家の過去帳を探さなければなりません。
過去帳の読み方
過去帳は、命日をキーとして記録が整理されています。亡くなった檀家の戒名(法号・法名)や俗名などが、日付別に記載されていると言い換えても良いでしょうか。なぜそのようになるかというと、何月何日は誰の供養を行えば良いか、一目瞭然だからです。
本来の目的が系統を表すものではなく、命日を管理するための台帳であるため、探しているご先祖様が過去帳のどこに書いてあるかなど、命日を知らなければ全くわかりません。そして、さらに前の世代についても、過去帳のあるお寺を菩提寺としていれば、記載されている可能性はかなり高いので、見落とさないように確認しましょう。
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